新卒教員の教科書

教師としての『教科書』がない。だったら自分で作ればいいんだ!そういう思いから始めました。

教育

歴史を学ぶ意義

実際の教壇に立って歴史を教えていると、生徒が歴史を学ぶ意義とは何なのだろうかと考えることがある。しかし、業務が忙しいと甘えては検討をしてこなかった。正直なところ、生徒の将来において歴史学習がいかに貢献するかという確信が持てないから、こうし…

論文「平等と格差の社会思想史」まとめ

右を向いても「格差」、左を向いても「格差」である。 格差が社会的に「問題」として認識されているようだ。書店に行けば、「格差」を冠した本が平積みにされているし、ニュースでも格差に関する言説が飛び交っている。今回とりあげる論文では、格差と平等と…

教育の原理

国家の働きは多岐にわたる。税金の徴収、公共財の提供・管理、法律の作成・承認、治安維持、はたまた外交・軍事まで、日常生活から国家の安全保障まであらゆることを担っているのが国家なのだ。では、そこでの重要な事柄を決めているのは誰なのか。議会制民…

説明責任について②

前回の続きである。 europesan.hatenablog.com 今回は教育における説明責任の必要性について考えたい。なぜ教育かといえば、説明責任は権力関係の下で発生するからだ。国民主権の下では国民が国政の最終決定権を有するとされてはいるが、実際は代表者と委任…

表層的な禁止

10年間ながらも東京23区内の大学定員抑制が閣議決定された。東京への人口一極集中を是正し、衰退が叫ばれる地方大学への進学者を増やすことを狙いとしている。人材育成等に取り組んだ地方大学などへ補助金を支給するそうだ。 www.jiji.com この政策を見て「…

主権者を養うためには

次の高等学校学習指導要領では主権者教育の推進が謳われるようだ。「公民」の中で新たに設置される「公共」は主権者教育の推進の鍵となる科目である。以下は記事の一部抜粋である。 「公民」の中に必修科目として新設される「公共」は「様々な選択・判断をす…

【書評】ヒルビリー・エレジー②

人は一人では生きていけない。衣食住はおろか仕事をするにも、つながりがあってこそ可能なのだ。ましてや、社会的な成功であったり自己実現であったり、衣食住以上のものを実現しようものならば、個人の力だけではほとんど不可能といっていいだろう。 本書に…

政治参加の意義

フランス革命に大きく影響を与えたルソーは次のような言葉を残している。 「イギリスの人民はみずからを自由だと考えているが、それは大きな思い違いである。 自由なのは、議会の議員を選挙する間であり、議員の選挙が終われば人民はもはや奴隷 であり、無に…

柳田の真意(前回の記事の補足)

前回の記事の中で 柳田国男の言う一人前の選挙民は生み出されていないように思う。というのも、一人前の選挙民とは、新聞を批判的に読む能力を有する者であり、新聞離れが顕著な現状において新聞を批判的に読むどころか触れない者が増えいているのだから、一…

柳田の理想と教育界のサボタージュ

民俗学者の柳田国男は、戦後に新設された社会科の目標を「一人前の選挙民をつくること」とした(西内裕一「『柳田社会科』の目標と内容についての考察」)。 ここでいう一人前とは、手紙が書ける程度の平凡な能力、そして新聞が読め、世間の動向を把握できる…

自律的である必要性

中学校学習指導要領の道徳では、その内容として自律性を養うことが項目の一つに掲げられている。道徳における自律性の必要性とは何なのかを今回は考えていきたい。自律性とは、自らが立てた規範に従って行動することである。つまり、他人から言われたままに…

歴史を教えるということ

教師が学校で歴史を教えるということはどのようであるべきなのだろうか。そもそも歴史とは何なのかということを考えると、一般的に歴史とは「過去から現在までの変化の様子を記録したもの」である。つまり、歴史とは社会や文化、思想から地形までの、ありと…