Shiras Civics

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「人生をどう生きるか」がテーマのブログです。自分を実験台にして、哲学や心理学とかを使って人生戦略をひたすら考えている教師が書いています。ちなみに政経と倫理を教えてます。

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時事論考

5Gは教育をどう変えるのか~ミクロとマクロの両面から考察する~

5Gとは何か・何ができるようになるのか 教育における変化 ミクロな変化 実現のためには マクロな変化 5Gへの注目が高まっています。 5Gとは次世代通信システムのことで、ビジネスの分野では世界的な5G推進の競争が繰り広げられています。ファーウェイやサ…

公民の先生だからできること~わかりやすさと自分ごと化~

先の参議院選挙が終わった後、ニュースを見ていて結構多いなあと感じた意見があります。 そもそも政治ってよくわからないし、投票がどういう意味があるのかわからないという声です。 これを文字通り受け取ってはいけないと思います。 つまり、政治制度だとか…

74年前の大学生は何を考えていたのか~特攻隊の手記から思うこと~

※主張激しめです。 www.j-cast.com トランプ大統領が、特攻隊は酒に酔って、薬をやっていたのか?と安倍首相に尋ねました。 彼らの名誉のために、実際の特攻隊に選ばれた若者の手記を引用します。少し長いですが、ご容赦ください。 上原良司(うえはらりょう…

国債は無限に発行できるのか

そもそも赤字国債は発行することはできない 国債が無制限に発行できるからくり ポイントは次の通り 財政法第4条には次のように書かれている。 国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付…

財政の機能

では市場とは… 第1の機能:資源配分 第2の機能:所得再分配 第3の機能:景気の自動調整機能 来年度の概算要求基準が決まった。早い話が、来年度に各省庁の使える予算がどのくらいかが決まったわけである。ここで財政に関してしっかりと理解する必要性を感…

江戸幕府の役人に学ぶ

舞台は160年前 明らかになったのはハリスのウソ 不易と流行…時代が変わっても変わらず大切なものがある 世の中で「先生」と呼ばれる職業との営業の際には、一般の顧客以上に説明を要するらしい。基本的に疑ってかかるために、多くの情報を提供しないと信用し…

歴史を学ぶ意義

歴史とはなんだろうか 相対化ができなければ 江戸時代の武士は時代の流れを読めなかった 相対化はどんな教育的価値をもつのか 生徒の日常には相対化できるものであふれている。 歴史を学ぶ意義 実際の教壇に立って歴史を教えていると、生徒が歴史を学ぶ意義…

論文「平等と格差の社会思想史」まとめ

格差の問題点 格差に対する認識の推移 近年の格差への潮流 解決策は まとめ・疑問 参考 右を向いても「格差」、左を向いても「格差」である。 格差が社会的に「問題」として認識されているようだ。書店に行けば、「格差」を冠した本が平積みにされているし、…

お金の歴史とこれから

貨幣以前の社会 市の成立 物品貨幣が登場した 紙幣の登場 金が価値の源泉に 目に見えないものを価値の源泉に おくりびと。 10年前なら「納棺士」だけを意味したこの言葉も、今では全く異なる意味が加わった。「億り人」、つまり仮想通貨で一億円以上の収入を…

貨幣、通貨、資金の違いについて

言葉を整理する意味:貨幣、通貨、資金の違いとはなんだろう 貨幣とはなにか 通貨とはなにか 資金とはなにか 練習問題:日本最古の通貨は? まとめ 言葉を整理する意味:貨幣、通貨、資金の違いとはなんだろう 仮想通貨、金融緩和、インフレーション、巨額の…

人間であるために~『エルサレムのアイヒマン』と日大アメフト部問題~

人はだれでも悪になりうる~エルサレムのアイヒマンとは アイヒマン裁判をアーレントはこう見た 凡庸な悪はどこにでもいる 切迫した状況が、彼を思考停止に陥らせた。 日大アメフト部の選手が関西学院大学との試合中、相手選手へ反則行為をし、重症を負わせ…

選挙なんて意味ないんじゃないかな ~カウンターデモクラシーについての覚書~

選挙なんて意味ないんじゃないか…。 高校生の頃から感じていた疑問とは裏腹に、「選挙に行こう」という標語が日常生活の至る所で散見された。特に2015年に選挙権年齢が引き下げられてから、18歳選挙権を推進する運動で世間は大きく盛り上がった。しかし、そ…

文書改竄は何が問題なのか

文書改竄の問題点~民主主義とどんな関係にあるの?~ そもそも文書の改竄ってなんなの? 民主主義を維持するには不断の努力が必要 絶対的権力は腐敗する 19世紀英国のアクトン卿の言葉である。100年以上前の発言ではあるが、現代の民主主義社会においても大…

説明責任について

民主主義における説明責任 教育における説明責任 説明責任よりも考えるべきことがある 政治学において説明責任という言葉がある。説明責任はアカウンタビリティーといい、アカウンティング(説明)とレスポンシビリティー(責任)を合わせた造語である。この…

かぼちゃの馬車の問題が教えてくれること

かぼちゃの馬車問題 問題点は二つある 必要性を超過する供給 より安全に、より快適に暮らしたい こうした欲求の存在は、人類社会を発展させる原動力として機能してきた。しかし、過度な欲求の拡大は人類にとって毒となるようだ。 かぼちゃの馬車問題 都内で…

経済発展を支える根幹~歴史から考えるとみえてくるもの~

古今東西、あらゆる悩みは経済問題 経済発展を支えるものは何か 時代をさかのぼると… 経済発展の背後にあったもの 経済発展を支えるものは何か 古今東西、あらゆる悩みは経済問題 あらゆる政権における課題に経済発展がある。それは古来から為政者が気にかけ…

表層的な禁止~「人返しの法」と「大学定員抑制策」の共通点~

ある政策との類似性~江戸時代版定員抑制策~ なぜ若者は上京するのか どちらにも共通するのは根本的な背景を見ずに、表層的な対策をするところ 10年間ながらも東京23区内の大学定員抑制が閣議決定された。東京への人口一極集中を是正し、衰退が叫ばれる地方…

人が移住する理由

歴史的な人口流入の例 現代における人口流入 雇用という視点から見てみると ただ雇用があるから移住するのか 現在の東京都の人口は1370万人を超える。日本全体では人口減少局面に入ったにもかかわらず、東京では人口が年々増加している。これは出生数の増加…

大量廃棄問題に見る資本主義

無限の資本主義 有限を最大限に活用した江戸時代 縁起は良いが、需要はさほどなかったようである。節分の日に店頭に並んだ恵方巻は大部分が売れ残り、大量に廃棄されている。しかし、この問題は恵方巻に限ったものではない。 www.asahi.com 無限の資本主義 …

歴史から仮想通貨を考える

鎌倉~室町時代の通貨事情 仮想通貨との比較 2日、金融庁が仮想通貨取引所のコインチェックに立ち入り検査を実施した。仮想通貨に対する監視体制が強化される一方で、マネーロンダリングなど違法な資金調達の温床になるといった理由から、インドや中国など各…

自由民主主義の価値

権威主義と自由民主主義 経済が発展している間は不満はない 変えられるチャンスは市民にある 中国が目覚ましいスピードで発展を遂げている。台頭する中国を賛美する声が増えていく一方で、日本やアメリカ、EU諸国など自由民主主義諸国の凋落ぶりを嘆く声が聞…

韓国は「自由」民主主義国家か

日本と韓国の共通性 そもそも自由主義とは 民主主義の視点から見ると つまり? 今月10日、韓国が日韓合意に関して一方的な新方針を打ち立てた。文在寅大統領は、合意に関して「再交渉は求めないが、真実と正義という原則に立った解決を促す」と謳った。日韓…

政治参加の意義

ルソーの指摘 伝統的な政治参加 試作段階の政治参加 ルソーの指摘 フランス革命に大きく影響を与えたルソーは次のような言葉を残している。 「イギリスの人民はみずからを自由だと考えているが、それは大きな思い違いである。 自由なのは、議会の議員を選挙…

安定した政治のための工夫~アメリカ大統領選挙制度の特徴~

首相公選制とは アメリカの政治が安定している背景 権力分立 選挙期間の長さ 巧みな制度設計 アメリカでは大統領選挙の真最中である。ドナルド・トランプ氏が共和党の正式候補となり、民主党の正式候補となったヒラリー・クリントン氏と激戦を繰り広げている…

北海道新幹線から考える資本主義

北海道新幹線の開業 北海道新幹線が赤字を出している背景 北海道新幹線の価値はどこにあるのだろうか 暴走列車「資本主義号」 北海道新幹線の開業 北海道新幹線が3月26日に開業してから3週間が経過した。整備計画が立てられてから実に43年が経過しており、…

共同体を作る宗教

宗教共同体 日本における宗教共同体 世間とは 現代における変化 世間の消滅がもたらしたもの 最近、「絆」や「コミュニケーション」、「コミュニティ―」といった言葉をよく耳にする。なぜ、今になって絆やコミュニケーションといったことが注目されるように…

社会主義という宗教

歴史的に見れば、宗教は貧困や差別などの社会矛盾が蔓延しているときに拡大してきた。イスラム教やキリスト教、仏教の世界三大宗教ですら例外ではない。宗教は差別や格差などが社会に蔓延しているときに勢力を伸ばしてきたのである。 三大宗教について イス…

「普遍的な」人権思想、ヨーロッパで生まれた人権思想

今年は国際人権規約が採択されてから50年になる。なぜかは分からないが、「人権」という言葉を聞くたびに不思議な違和感に襲われる。今日はその人権について考えてみたい。「朕は国家なり」というルイ14世の言葉に現れているように、中世末期のフランスでは…

新しいアメリカンドリーム

資本主義が国是の国で社会主義者が登場した異様さ アメリカンドリーム=資本主義での成功 夢の裏側にあるものは… 新しい夢を求める人々 人は夢を見る。夢は、多くの人を魅了する。1867年のロンドンでマルクスは『資本論』を発表し、それ以降、彼の思想は世界…

1つのEU、2つの立場~モラルジレンマをどう乗り越える?~

その写真は世界を動かした 外向きな人々 内向きな人々 価値観の対立 現実的な対処を 追記(2018年7月28日) その写真は世界を動かした 衝撃的な写真が世界中を駆け巡った。 浜辺に横たわるシリア人男児の遺体写真である。男児の名はアイラン・クルディくん。…