お覚えでしょうか。年明けにこんな宣言をしたことを。
思考力を重視した授業を3か月に1回はする。
(新卒教員の教科書「2019年の抱負-義理と人情を忘れずに」より)
義理も人情も宣言も忘れてません。
年が明けて余裕ができたので
よし!生徒に考えさせる授業を作ろう!
と思い立ち、初めてジグソー法の授業づくりに取り組みました。
二学期までは学び合いをしていましたが、今回は別の教授法。
どんなことでも初めての気持ち、フレッシュさは忘れたくないですよね。
ということで作るまでの過程を振り返ってみたいと思います。ちなみに実施するのはまだ先の話。
テーマは2030年のエネルギー政策(エネルギーミックスの実現)についてです。
感想は一言。
死ぬほどエネルギー白書を読みました。
始まりはツイッター
大学院時代の専門は政治学。畑違いの自分がいざ現場に出てあまりにも教育理論を知らないことに愕然し、様々な情報にあたっていたところ、ある出会いがありました。
最近のモヤモヤが晴れた気がする。私は毎時AL型授業を行っているつもりだが、「生徒が解説する」時間をジグソー法を除いてほぼ設けていない。まさしく不十分なものとなり、生徒の理解を促せないと判断するためだ。普段は「聞く・読む」活動から「考える」「共有する」「書く」が中心である。 https://t.co/EIczZ04gPb
— ボリバル@世界史の歴史的思考力 (@world_history_k) 2018年9月23日
こちらのボリバルさん(@world_history_k)のツイートに紐づいたツイートを読んで、ハッとしたのです。
おっ!!!!!!!!
そういえばこれってあれじゃないの!あれ!!!
舞い上がった私はネットで「ジグソー法」「協調学習」と調べに調べました。すると東大のCoREFが無料で情報公開していることがわかりました。
ただPDFを印刷するのもなあと思い、こちらの本を購入。
協調学習とは 対話を通して理解を深めるアクティブラーニング型授業 [ 三宅なほみ ]
そして去年の暮れにはこちらのシンポジウムにも勢いで参加(PDF形式のチラシです)。
https://www.pref.saitama.lg.jp/f2208/documents/symposium20181206.pdf
本も読み、シンポジウムに参加したことで大いに刺激を受けレベルアップした気になりました。そんな不遜な私の前に立ちはだかったのは内容の壁でした。
深い学びは教師の深い理解から
授業では学習目標を設定することから始めます。
当たり前ですが、生徒にどんな姿になってほしいか理想像を出すにはある程度の知識がないとできません。そこでまず教材研究を深めるわけです。
そうしてアイデアを出すわけですが、今度はそれを実現する手立てとしてどういう教材を作るか考えなきゃならんわけです。
統計やら資料を精選し、さらには調べたことをまとめ、それを生徒のレベルに合わせて言語化する。
教員試験を突破すること(問題を解くこと)と問題を作ることのエベレスト級の差をしみじみと実感しました。
仕事は減っているのに帰りはむしろ遅くなる一方…心地よい頭の疲労感が蓄積していきます。心地よい疲労も溜まればただの疲労。
ツイッター上でジグソー法作ってる人たちってこんな大変なんだあ~~~~すげえ~~~~😇
という心の声が職員室に漏れていました。
ただ、この過程を通して色々と良い点もあったので箇条書きでまとめたいと思います。
ジグソーに取り組むことで教師に起こった変化、わかったこと
①複数の論点で物事を捉えるようになった
ジグソー法は3つの視点を生徒が組み合わせて協調学習を引き起こすことを狙いとしています。教材化する際にもあるテーマを3つの論点に分けて作る必要があるため、ニュースに触れた時や新しい単元に入る際に「このテーマだとどんな論点があるかな~」と考える癖がつくようになりました。
論点ごとの関係性にまで視点を伸ばせばディスカッションの授業の時に役立つかな~なんて思ったりしてます。
②深く学べる
問いに応えるための材料を探す、その過程で(教科書を越えて)知識がめちゃくちゃ身に付きました。
また問いに対して思考実験をするときに、身につけた知識を活用して考えるので、知識同士の関係性も見えてきました。個人的にはそのテーマに関して意見を持てるようになったのが大きいなあと思っています。調べる前はテーマについてただ知っているだけでしたから。
③時間がかかる
テーマを決めてから2~3週間ほどで作り上げましたが、かけた時間はおそらく20時間くらいです。初めてのことだったからかわかりませんが、シンポジウムに参加した時には平均して作成に17時間かかると説明を受けました。
負担が減ったからまだしも繁忙期にサクッと作れる代物ではないよなあ
と思ったので、コツコツやらねばなあと思います。慣れれば早くなるんですかね。
何はともあれまだ作っただけです。これから実施するのでその振り返りも書きたいと思います。
それでは。