新卒教員の教科書

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新卒のあの頃の自分へ向けたメッセージをつらつらと書いております。『新卒教員としてのオリジナルテキスト』をつくろうという試みによるブログ。社会科のこととかビビッときた本の書評とか日常生活のこととか。

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原監督の指導はすごい!-青学躍進の背景にステージ指導法あり

 

あけましておめでとうございます。

 

新年を迎え、世間は箱根駅伝で盛り上がっています。

今年の往路優勝は青山学院大学(以下、青学)。3年ぶりの往路優勝を勝ち取り、復路優勝へと弾みをつけました(母校ではないので、何とも言えない気持ち。キエエエ)。

 

さて、青学が箱根駅伝で優勝争いをするようになった立役者といえば、やはり原監督でしょう。

 

3学期をもうすぐ迎える教員の皆様にとっても、原監督の指導法は非常に有効なのではないか。そう思い、色々と調べてみました。

 

 

原監督とは

原晋監督は、元々陸上競技の選手でした。高校、大学、社会人と選手を続けていましたが、27歳の時にケガで引退。その後は中国電力の営業マンとして実力を発揮し、「伝説の営業マン」として呼ばれるようになりました。

 

そして、37歳の時、中国電力を退職し、青山学院大学陸上競技部の監督に就任。しかし、当初は芳しい結果が出ませんでした。けれども、就任5年目で学連選抜チームを箱根駅伝で総合4位に導くと、大学が本格的に支援。そして、翌年の箱根駅伝には33年ぶりに青学を出場に導きました。

 

その後、青学は箱根駅伝4連覇を達成しました。現在、原監督は、大学教授を務めたり、各種講演をしたりと、幅広い活動を行っています。

 

原監督の指導法

原監督の指導法にある理念は「選手自身が自分で考え、かつ楽しくプレーする」というものです。

 

本の学校スポーツの指導者は、科学が極めて発達した今でも、非科学的な「根性論」で指導することが少なくありません。監督の権威を絶対化し、上意下達の軍隊式の指導でバリバリ練習をさせる。当然、選手たちはまったく楽しくプレーなどできません。こうした点を改め、科学的にかつ選手の自主性を尊重する指導法で結果を出したのが、原監督の画期的な点といえるでしょう。

 

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では、具体的にどのように指導をしているのか?

 

その指導は、4ステージ指導と呼ばれています。

第1ステージは上意下達。つまり、監督の指示を選手が聞いて、実行すること。

これは、チームの理念だけでなく、具体的な行動を即座に伝達できるため、すぐに結果を出すのに有効です。しかし、監督がいなくなれば、効果は消え去ってしまいますし、選手自身は成長しません。

 

第2ステージは自覚期。つまり、選手が監督の考えを自覚する段階です。

監督が理念や目標をリーダーに伝え、その上でリーダーが選手個人に指示を出していきます。確かにリーダーは自覚しますが、その反面、監督の本意は中々浸透しずらくなります。

 

第3ステージはコーチング期。ここでは、監督の考えが選手個々に浸透していきます。

監督自身が選手全員に理念と目標を伝えた上で、「それをどう実現するの?」と問いかけます。こうすることで、チーム全体に自ら考える土壌が育ち、自立へと向かっていきます。

ただし、過度な自主性を放縦と勘違いしてしまうと、チームの秩序がなくなってしまいます。それを戒め、正しい方向へと向かわせることも監督の重要な役割です。

 

第4ステージは自立期。選手が自ら考え、監督は選手の自主性を尊重し、それにゆだねる段階です。選手が自ら考え、行動しているので、監督がいなくても、チームの強さは変わりません。

原監督はこうした段階を踏まえて、選手個々、チーム全体の力を高めていきました。

 

その際に具体的に行った指導が、1分間スピーチと目標管理ミーティングです。

毎朝、1分間スピーチを行い、最後は駅伝につなげる。表現力を磨くだけでなく、自身とチームの目標を再確認する場を常に設けています。

そして、月1回5人ほどに分かれて目標管理について意見を出し合います。学年に関係なく組織され、さらには選手個々のの役割などがチーム内で可視化されるため目標達成により一層近づけるわけです。

 

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不易流行

最終的には、選手自らが考え、行動する。これが原監督の指導の根底にある理念です。

これは我々教育者が当たり前に行っている指導に通ずるものではないでしょうか。

 

最終的な生徒のたどり着いた姿をイメージして、そこからカリキュラムを考えていく。

成長の段階をルーブリックで設定し、評価をしていく。そのために打ち手を考え、実践していく。そして、生徒の成長の様子を看取って、さらなる打ち手を考えていく。

 

 

これらは、何も目新しいものではありません。

 

やってみて、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば人は動かじ。

話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。

やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。

 

これは山本五十六の残した名言です。

結局、監督だけでなく、選手一人ひとりが考えるようにならないと、人は成長しないのです。その法則は昔からずっと変わらないのでしょう。

 

そして、これらの手法は何も教師だけでなく、学校経営やビジネスにおいても人を育てる立場の方であればぜひ知っておいて損はない知識でしょう。

最終的にプレーヤーが自ら考え、行動できるようになれば、組織全体のパワーアップに繋がります。学級、学校、会社などなど。。

そのためのヒントが、原監督の指導法にあるのではないでしょうか。

 

参考

http://archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/KS/0005/KS00050L021.pdf

 

https://www.mag2.com/p/news/352266