新卒教員の教科書

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新卒のあの頃の自分へ向けたメッセージをつらつらと書いております。『新卒教員としてのオリジナルテキスト』をつくろうという試みによるブログ。社会科のこととかビビッときた本の書評とか日常生活のこととか。

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海外大学と国内大学 ~「蹴られる東大」と「忖度しない教育」~

 

 

最近、面白いシリーズを発見しました。

 

その名も「蹴られる東大」。

www.todaishimbun.org

 

やはり教育業に携わる者として、また大学受験生を指導する者として、「東大」は「目指す」ものだという認識があったのですが、近年の大学入試の状況やアジア圏での動向、中学入試事情などを見ると、東大ではなく海外を思考する方々が増えているように思います。

そうした思いを抱いている中で見つけたシリーズ。海外大学の特徴などが描かれているので、先生方の中でも広報や進路指導等を担当する方には参考になるのかなと。

 

日本国内と海外大学の違い

 

university

日本の大学は入るのが大変、出るのが楽。海外大学は逆。

 

よく言われる言葉ですが、語弊があります。

まず日本の大学は入るのが大変ですし、近年は文部科学省の方針もあって出席状況などを厳しくチェックするようになっています。単位認定が行われなければ、卒業できませんから、楽とは言い切れません。

www.mext.go.jp

 

また、海外大学においても同様です。

入るのはそもそも大変ですし、当然出るのも大変です。ただ、やはり日本とは違って、海外大学は授業の予習等がかなり大変らしく、その点は日本の大学生活の方が自由度が高いそうです。

 

次は海外大学での学習状況について、「蹴られる東大②」より抜粋です。

 

米国での大学生活について語ってもらいます。まずは学業面について、授業の構成や厳しさなども日本とは違うと思いますが、実際に受けてみてどう感じましたか

 まず取っていた授業を言うと、一つ目はDS(Directed Studies)というもので、これは1年生のうち選考に通った人のみが受けられる、ひたすら人文学をやる授業です。基本的に各セメスター4単位を取得するのですが、この授業が3単位分あって、文学、歴史、哲学がそれぞれ1単位ずつ、というように特にハードな集中授業三つから構成されていました。他に前セメスターは1.5単位のフランス語を取っていたのですが、こうした授業の取り方をした結果、リーディングの量が週平均600ページになってしまいました。もうどうなってんの、という(笑)。しかも古典の授業なので、『イーリアス』1冊をいきなりバーンと渡されて、3日後までに読んでこい、みたいなこともありました。最終的にDSの三つの授業で30冊くらいの本を買わされましたね。さらに毎週5〜6ページのライティングが課され、各授業それぞれ期末試験があったため、本当に一日中本を読むような生活が続きました。図書館が午前1時45分まで開いているので、そこで閉館まで勉強して、寮に帰ってルームメイトが寝ていれば、そのまま部屋で午前3時くらいまで勉強しました。フランス語の授業が朝8時20分から始まるので、朝7時半には起きて小テストの勉強をしていました。勉強は本当にすさまじかったです。毎日4時間睡眠で回す感じで、キツかったですね。

 

ほかにも、言語の壁は厚いみたいです。たとえば、ディスカッションにうまく参加できないもどかしさを吐露しています。

 

教授も学生がリーディングを全部は読んでいないことを察するので、論点から外れた発言は評価されませんが、かといって何も発言しないと授業参加点がゼロになってしまうので、難しいところです。しかしイェールではこうした点も、授業ごとに配置されているアカデミックアドバイザーの人たちに2週間に1回くらいの頻度で相談できます。「本当は授業中にこういう話をしたかったのにクラスメイトがこう話をもっていったせいでできなかった」と相談すると、「教授もそこは気付いているから、教授に後からどんな話をしたかったのか伝えに行けば参加点は下がらないよ」と教えてくれました。

 

言語の壁、そしてとんでもない学習量(事前準備)が毎日止むことなく続く。

半端じゃなく鍛えられる環境ですね。

 

本気で向き合う教員

 

McGill University

海外大学院での経験を持っている知人がいます。

「蹴られる東大」の記事はアメリカの大学でしたが、知人はイギリスの大学院を修了しています。

 

やはり授業は事前準備が大変とのことでした。毎週英語の分厚い本を何百ページも読んでまとめて…

それだけでなく、英語の壁があるため、母語のようには議論ができない苦悶があるとのことでした。

 

けれども、教授はネイティブでないからといって忖度しない

英語が出来なかろうが、準備が間に合わなかろうが、容赦しないとのことでした。

 

こういう点から鑑みるに、「研究者」の意識が強い日本の大学教授とは違って、海外の大学教授は「教育者」としての意識が強いのだなあと感じますね。

 

東大をける人たち

 

記事にあるような、東大を第2の選択肢として考えられるような人は、そもそも傑出した知力を備えています。しかも努力を怠らない。

 

僕実はセンターの社会でどの教科を受けるか最後まで迷ったままで、ついぞなんの勉強もしないまま1月に突入しまして。やらなくても点数がある程度まで取れる教科ということで結局地理にして、参考書を時間がある時に買いに行き、センターの前日に2冊組の参考書の片方だけを読み終えてセンター試験に臨みました。それまで一度も学校で勉強したことない地理で。(蹴られる東大①より)

 

なんじゃそりゃ~

もはや教師として教えることはあるのか、と思ってしまいますね。

 

ただ、大学進学の現実的な選択肢として海外大学を志向する生徒は増えています。

それは各校の大学合格実績に如実に表れています(以下のリンク参照)。

 

chukou.passnavi.com

※ただしこちらのリンクは2017年時点でのデータなので、現在はさらに伸びていると思われます。

 

変化する社会に合わせて大学進学も変化しています。

今回の記事が、進路指導の参考になれば幸いです。

それでは。