Shiras Civics

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「人生をどう生きるか」がテーマのブログです。自分を実験台にして、哲学や心理学とかを使って人生戦略をひたすら考えている教師が書いています。ちなみに政経と倫理を教えてます。

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【9月15日は国際民主主義デー】改めて民主主義の価値を確認しよう!

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9月15日は国際民主主義デーです。

2007年に、国際連合の総会で「民主主義の原則を推進し維持する目的」で定められました。

 

中国やロシアなどの権威主義国家が台頭する一方で、欧米諸国ではポピュリズムが席巻し民主主義の価値が問われています。

(コロナ禍に際して都市封鎖を迅速に行ったのは中国でした。ただ今回のコロナ禍で自由民主主義国家である欧米諸国も早々とロックダウンに踏み切ったのは意外でした。ただ、欧米諸国の場合、人権とロックダウンが天秤に諮られて議論されていたのに対して、中国の場合は治安維持・公衆衛生を真っ先に優先するところに、「人権」という価値を共有していないんだなあと感じました。)

 

このような民主主義の価値が揺らぐ中だからこそ、その意義を再確認したと思います。

 

 

ユニセフのメッセージ

 

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国際民主主義デーに際して、ユニセフの事務総長がメッセージを出しています。長いですが、引用したいと思います。

 

今年は民主主義の歴史上、画期的な年となりました。中東や北アフリカをはじめとする地域では、数百万の人々が劇的な動きに参加し、それを超すさらに多くの世界中の人々が、大きな関心をもってその動きを見守りました。民主主義はすべての人々が望む普遍的なモデルであり、どの文化にも縁遠い存在ではないことが、こうした人々の関与で確認されたのです。今年はまた、民主主義を輸出することもできなければ、外部から押し付けることもできないことを改めて認識する年にもなりました。それは国民の意志で生み出され、力強く活発な市民社会によって育まれねばならないからです。国は民主主義にふさわしい国に成長していくのではなく、民主主義によって健全な国になるのだという真実を、世界は痛感させられました。このメッセージを先頭に立って送ったのが、若者たちでした。民主主義の理想を掲げて立ち上がった若者たちは今、自分たちの力でスタートさせた変革を、最後までなし遂げるという課題に直面しています

同様の真実が、東欧で起きた大変革から20年という、もう一つの大きな節目によっても裏づけられました。この地域では、多くの国々がまだ、民主化の初期の段階にあります。こうした国々の人々は、法の支配の確立、透明性とアカウンタビリティの育成、そして政治・経済システムの根本的な見直しが、どれだけ骨の折れる作業であるか、身をもって体験しています。期待を裏切りかねないような挫折を経験し、前進を続けるためにどれだけの情熱が必要かも知っています。こうした経験は大事な教訓を与えてくれました。

国連は、こうした動きを支援しています。世界中で、民主的な制度と実践の育成、強化にこれほど努めている機関は他にありません。国連は自由で公正な選挙を支援し、市民社会による国民参加を促しているほか、投票結果をめぐって当事者間でこう着状態が生じたときには、対話を育む役割も担っています。また、政情不安の際には調停役として紛争の予防にあたり、紛争終結の際には責任ある治安制度の育成を図っています。さらに、法の支配の強化を助け、多党制を育て上げ、効果的で責任ある行政やオンブズマン制度、腐敗防止機関、ジェンダーの平等を推進する団体を育成するため、専門家の派遣も行っています。

どのような取り組みを行う場合でも、国連は各国や地域に特定の民主主義モデルを取り入れたり、促進したりしようとはしていません。その活動の基本となっている考え方は、民主主義の理想は世界各地の哲学や伝統に根ざしているということ、有効な民主的ガバナンスはあらゆる場所で、男女の生活の質を向上させるということ、そして、民主主義は恒久的な平和、安全、そして開発の礎を提供するということです。

今年の「国際民主主義デー」にあたり、今年の記念すべき出来事の主役となった若者をはじめ、民主主義を現実に機能させようとしている人々を支援する取り組みを、さらに強化していこうではありませんか。今日の国際デーはこのような人々のためにあります。民主主義の中で一生を送る決意を固めた人々を称えようではありませんか。

国際民主主義デー(9月15日)事務総長メッセージ | 国連広報センター

 

2011年は激動の年だった

 

2011年といえば、日本では東日本大震災が起きた年でした。北朝鮮では金正日総書記が死去しています。

 

では、2011年は民主主義にとってはどのような意味をもつ年だったのか。

まず中東諸国ではアラブの春と呼ばれる民主化運動が生じました。チュニジアやエジプトなどの独裁国家では、多くの国民がデモに参加し、独裁政権が打倒されました。

また、ニューヨークでは「ウォール街を選挙せよ(Occupy Wall Street)運動」が盛り上がり、世界中で反格差運動が活発に行われました。

【図解・社会】平成を振り返る、2011年10大ニュース:時事ドットコム

 

これらに共通しているのは、まさに文中にあるこの言葉でしょう。

民主主義はすべての人々が望む普遍的なモデルであり、どの文化にも縁遠い存在ではないことが、こうした人々の関与で確認されたのです。今年はまた、民主主義を輸出することもできなければ、外部から押し付けることもできないことを改めて認識する年にもなりました。それは国民の意志で生み出され、力強く活発な市民社会によって育まれねばならないからです。国は民主主義にふさわしい国に成長していくのではなく、民主主義によって健全な国になるのだという真実を、世界は痛感させられました。このメッセージを先頭に立って送ったのが、若者たちでした。民主主義の理想を掲げて立ち上がった若者たちは今、自分たちの力でスタートさせた変革を、最後までなし遂げるという課題に直面しています。

 

自らの意思で民主主義を勝ち取り、それをどう定着させていくか、これこそが重要なことなのです。

 

▼香港の問題は自由を失うか否か?という問題です。良ければご覧ください。

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民主主義の価値について

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権威主義国家では最終的な決定権は国民にありません。

たとえば、中国では中国憲法の上位に中国共産党が位置づけられているため、中国共産党が最終的な意思決定機関とされます。

 

だけれども、日本のような自由民主主義国家であれば、最終的な決定権は国民にあります。

 

確かに民主主義は話し合って決まる分、時間もかかるし、時には合意形成ができないこともあるでしょう。その点、迅速に決定し、問題解決を図る権威主義体制の方に分があります。

けれども、民主主義の良さは自分たちが何か悪いことを見つけた時に、それを直そうと自分たちで決めることができる点にあります。つまり、自浄作用が働く点に民主主義の良さがあるのです。これが権威主義国家なら、国家にとって大事な問題でない限り、放置されるか、隠蔽されかねません。

 

アメリカも人種差別の問題でなんだかんだ言われながらも、公民権運動やオバマ大統領の当選など、その問題解決に前進し続けてきました。

そうした背景には、権利を求め行動した人たちの姿があったのです。

 

民主主義は永久革命といわれます。政府は国民と異なる主体ですから、常に働きかけ続けないといつの間にか権利を失ってしまう。それは私たちの歴史が経験していることです。

 

あらためてこの日に自由民主主義の価値を確認しましょう!

それでは!

 

▼こちらの記事に自由民主主義の価値について書いています。良ければご覧ください。

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