連休最終日の一昨日、金融教育セミナーに参加してきた。
色々書きたいことはあるけども、起業家教育について書こうと思う。
起業家教育が求められる背景
人工知能がニュースに出ない日はない。そうした社会的変化に対して、多くの先生方は関心を共有されていると思う。
昨日のセミナーの中で言われていたのが、
将来的には、人工知能が人間の知力を超えるシンギュラリティが起こると言われている。一説には2029年に起こるそうだ。
2014年にオックスフォード大のマイケル・オズボーン教授が発表した論文には、将来的に消える職業のリストが書かれていた。
多くの職業が人間から機会に取って代わられる。
そうした時に人間はどうすべきか。
そうだ!仕事がないなら会社を作ってしまえばいいじゃない。
だから起業家教育を推進しよう、ということだった。
起業家教育って何を育てるの?
では、起業家教育では何を育てることを目指しているのか。
「経済産業省の『生きる力』を育む起業家教育のススメ/小学校・中学校・高等学校における実践的な教育の導入例」http://www.meti.go.jp/policy/newbusiness/downloadfiles/jireisyu.pdf
にはこう書かれている。
起業家精神(チャレンジ精神、創造性、探究心、等)と起業家的資質・能力(情報収集力・分析力、判断力、実行力、リーダーシップ、コミュニケーション力等)を有する人材を育成する教育です。
起業家や企業経営者だけに必要な特殊なものではありません。
高い志や意欲を持つ自立した人間として、他者と協働しながら、新しい価値を創造する力など、これからの時代を生きていくために必要な力の育成のために起業家精神と起業家的資質・能力の育成をするための教育です。
起業家教育という名前こそあれども、起業家を生もう、ということだけが狙いではない。
これからの社会を生きる上で必要な資質・能力を養える教育が起業家教育だと言っているのだ。
また、起業家教育を実施して、チャレンジ精神や創造性などの精神面、判断力や実行力などの資質・能力面でも効果があったというデータも掲載されていた。
※もちろん「官公庁発行で、その教育を推進する立場だから不都合なデータはない」といううがった見方もできるけど。
起業という世界
私の知り合いに実際に起業した人物がいる。
学生のころから常に本を読んで情報収集を怠らないし、理解力も分析力もすさまじいものがあった。組織を率いる点ではリーダーシップはもちろんのこと、色々な人と会っても笑顔を忘れないコミュ力の鬼だった。
バイタリティすげー…と常々思っていた。
ただ、完全無欠に見えても人間なので苦悩することもある。
起業の前、就職活動をしていて、大企業の内定をもらった。
就職か起業か、ずいぶん悩んでいた。
それでも起業を選んだのは「本当に自分がやりたいこと」をして生きていきたい、という思いがあったからだと聞いた。
と同時に大企業での(永遠ではないものの)安定を捨て、リスクをとる道を選んだのだ。
私には真似できないがゆえに、ただただ「すごいな…」としか思わなかった。
起業家に必要なもの
人生は選択の連続とよく言われる。
私も若いなりに選択し続けてきた。
だからこそ、選択した結果については責任を負う、という態度が大事だろう。そうした態度こそがチャレンジ精神である。
起業という道を選ぶか、既存の企業への就職を選ぶのか、というのも選択だ。
どちらにもリスクはある。そのリスクを恐れないチャレンジ精神を持つことがこの教育の鍵だと思った。
不安に打ち勝つ、強いメンタリティとでも言い換えようか。
ただ、チャレンジするには、失敗へのハードルを下げることは大事だとも思う。
たとえ失敗したとしても再起できる、そんな社会的なセーフティーネットの整備は必要であろう。*1
最終的には失敗を恐れずに起業を選択する、そういう決断力の涵養が起業家教育の根幹にあるのだと思う。目指す精神や資質・能力は並列ではなく、優先順位があるということだ。
今後のために
成功の反対は何もしないことだ。
こんな言葉がドラゴン桜に書いてあったように覚えている。
確かに失敗が怖いなら、最初から無為でいることだ。そうすれば絶対に失敗しない。
私自身、失敗を恐れて、躊躇してしまうということがある。
教える云々の前に、まずは私自身がチャレンジを畏れてはいけないなあと思う。
といった規範論で終えても何も生産的ではないので、今後のためにも備忘録的に記事を貼っておきたい。
そういえば、嫌われることを恐れて、硬直してしまうときがあるのもアドラーにヒントがあるのかも。
セルフイメージに縛られてそこから逸脱した行動ができないとか何とか…
それでは。