新卒教員の教科書

新卒のあの頃の自分へ向けたメッセージをつらつらと書いております。『新卒教員としてのオリジナルテキスト』をつくろうという試みによるブログ。社会科のこととかビビッときた本の書評とか日常生活のこととか。

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歴史

やっと100記事!-過去の人気記事は?-

昨日書いた記事でやっと100記事に到達しました。 www.yutorix.com このブログも実は2014年からやっていますから、ブログ歴は4年以上になります。 (整理せずに次々と食材を買ってはぶち込まれた冷蔵庫の中くらい放置していました。本格的に稼働したのは去年…

【書評】戦後の歴史をコンパクトに-中村政則『戦後史』

積読の消化期間に入っています。 統治機構を勉強するなら日本の現代史はもう一度おさらいしよう!ということでこちらの本を手に取りました。 戦後史 (岩波新書 新赤版 (955)) 出版は2005年。およそ15年のロスは最近ブームの「平成史」関連の書籍を手に取って…

日本の外交政策は理念通り遂行されてきたのか?-外交3原則について

戦後の日本は戦前の反省を踏まえて国際協調路線の外交政策をとってきた。 日本の外交3原則 外交3原則の破綻が露呈した そして現在は 日本の外交3原則 第二次世界大戦後、日本の外交では「国連中心主義」「自由主義諸国との協調」「アジアの一員としての立場…

現代に甦るホッブズ-グローバル化の逆接

混迷を深める世界はどうなるのだろうか。ホッブズの面影がちらつく。 ホッブズの社会契約説-リバイアサンという国家権力 「新しい」万人の番人に対する闘争 リバイアサンの下で自由は 国家によるテロへの対処 www.yutorix.com ホッブズの社会契約説-リバイ…

立憲主義は果たして勝利したのか?-長谷部恭男『憲法とは何か』

立憲主義とは何か? 立憲主義に基づく憲法 どのようにして立憲主義はできたのか? 正統性をめぐる三つ巴の争い-立憲主義・ファシズム・共産主義 ファーストラウンド:第二次世界大戦 セカンドラウンド:冷戦 立憲主義(議会制民主主義)の勝利? たまには憲…

EUってそもそもなんのためにあるの?-統合史から見るEUの機能と限界

イギリスがEUとの間で合意なき離脱に向かっている。ここで、そもそもEUとはどういう目的の下で作られてきたのか、というところを確認してみたい。 EUにできること-その機能 冷戦後のEU EUにできないこと-その限界 現下の問題 まとめ EUにできること-その…

そもそも統計とは何か?-言葉と歴史から整理する-

毎月勤労統計に誤りがあることが発覚した。 news.yahoo.co.jp ニュースで出てくる社会の動向の多くは統計を基にしている。 だが社会事象を把握する根幹の統計に不備があった。 ここでそもそも統計とは何かを整理してみたい。 日本語から-辞書 英語では 歴史…

アメリカ外交の重層性-村田晃嗣『アメリカ外交 苦悩と希望』講談社現代新書

中東情勢においてアメリカの果たす役割は大きい。 しかし、アメリカという国がどういう行動原理で動いているのか、いまいちわからない。そこで手に取ったのが本書である。 アメリカ外交 苦悩と希望 (講談社現代新書) アメリカ外交を見る眼-アメリカ外交を分…

ISが出現したわけ~アメリカの中東政策が招いた怪物-酒井啓子『9・11後の現代史』講談社現代新書②

中東は混沌とした状況にある。今では壊滅状態のIS(イスラーム国)の登場は衝撃的だった。 ここでは『9・11後の現代史』を参考に、ISがなぜ登場したのかまとめたい。 www.yutorix.com 9.11後の現代史 (講談社現代新書) IS(イスラーム国)とは? ISの出…

混迷の中東がわかる本-酒井啓子『9・11後の現代史』講談社現代新書①

新聞を読んでいて 中東情勢、全然わからない! と言って色々な本を探し、読んできた。 本に当たり外れをつけたくはないが、この本は大吉である。 本書は、21世紀の中東しか知らない若者には、「今見ている世界と中東がこんなに怖いことになってしまったのは…

エリートのかじ取りにすべてがかかっている-『物語 シンガポールの歴史』

シンガポール、と言えばトランプ大統領と金正恩氏の会談が開かれた場所として記憶に新しい。 そんなシンガポールがどのような歴史をたどってきたかを簡潔につづった一冊。 シンガポールは多様な顔を持つ。経済成長率は平均して高く、日本よりも一人当たりGDP…

神社の楽しみ方

樹齢数百年の高木に阻まれ、陽光はまばらに射している。場所によっては昼間でも暗く、鎮守の森が古来より続いてきたことを想起させる。俗世とは無縁な静謐な環境は、そこになにか神聖なものを感じさせる。神社に参拝した時、こうした独特の雰囲気を感じられ…

未来の日本からやってきたと言われたら-かわぐちかいじ『ジパング』

「60年後の日本からやってきた」。 こんなことを言われて、あなたはどう思うだろうか。ましてや、その人間の言う未来があなたにとって悲惨なものだったとしたら。 今回紹介する『ジパング』はかわぐちかいじ作の漫画である。 2000年代初頭、南米に向けて出航…

本郷和人『日本史のツボ』を読んだらタメになった

歴史を教えていると必ず直面する課題がある。 歴史って何の役に立つの?という質問。もう就活の時に何千回と反芻し、就職してからも何度も考えた。というか生徒から聞かれる。 正直なところ、君は役に立つというたった一つの視点でしか物事をみれないの?別…

ざっくり冷戦史

冷戦とは? 冷戦をとらえる枠組み 具体的に冷戦を整理すると 緊張と緩和の繰り返し 緊張Ⅰ【冷戦の開始】 第二世界大戦 戦後 緩和Ⅰ【雪どけ】 緊張Ⅱ【キューバ危機】 緩和Ⅱ【デタント】 緊張Ⅲ【新冷戦】 緩和Ⅲ【冷戦の終結】 冷戦を学ぶ意義 冷戦とは? アメ…

江戸幕府の役人に学ぶ

世の中で「先生」と呼ばれる職業との営業の際には、一般の顧客以上に説明を要するらしい。基本的に疑ってかかるために、多くの情報を提供しないと信用しないからだそうだ。そんなことを営業職の方から聞いた。 自身の利益がかかっているのだから当然の態度だ…

歴史を学ぶ意義

実際の教壇に立って歴史を教えていると、生徒が歴史を学ぶ意義とは何なのだろうかと考えることがある。 しかし、業務が忙しいと甘えては検討をしてこなかった。正直なところ、生徒の将来において歴史学習がいかに貢献するか、歴史を学ぶ意義は何か、そういう…

『天皇の日本史』『近代天皇論』を読んで、天皇について考えた

先日、皇太子殿下が58歳の誕生日を迎えた。来年には天皇陛下の退位が予定されており、皇室や天皇の在り方に関する議論が論壇を賑わせている。 にもかかわらず、天皇についてあまりにも自分が無知なことに気付いた。慌てて書店に行って手に取ったのがこの2冊…

経済発展を支える根幹

古今東西、あらゆる悩みは経済問題 あらゆる政権における課題に経済発展がある。それは古来から為政者が気にかけてきたことであった。現在のような高度な技術を必要とする産業とは異なり、明治以前の日本における主要な産業は農業であった。したがって、開墾…

日本再発見

明治維新を経て西洋的価値観が一気に日本に流入した。民主主義("democracy")もそのうちの一つであった。民衆による統治という民主主義の概念は、天皇による統治を国体とする日本の歴史とは対極に位置しているように見える。しかし、民主主義と親和性を持つ…

「普遍的な」人権思想、ヨーロッパで生まれた人権思想

今年は国際人権規約が採択されてから50年になる。なぜかは分からないが、「人権」という言葉を聞くたびに不思議な違和感に襲われる。今日はその人権について考えてみたい。「朕は国家なり」というルイ14世の言葉に現れているように、中世末期のフランスでは…