コロナウイルスの騒動によって多方面に影響が出ています。
安倍首相が2日に全国の学校に休校要請を出し、勤務校でも突然の最後の授業が行われたり。。。
さて、今日は金融の話。
結論から言うとこんな感じです。そして、金が買われている。
超金融緩和の中で、ダブついた資金が株式市場に向かっていたから「官製相場」よろしく、日経平均が上昇基調だったのが、コロナウイルス騒動で下落傾向。
— しらす (@dokomademoinaka) 2020年2月28日
GDP速報でも下落していたけれども、今回は生産・消費がかなり落ち込むと予想されるので、実体経済も落ち込む。
株価と実態経済のダブルに打撃。
日本の経済状況と金融
そもそも日本の経済状況は芳しくありませんでした。
デフレ傾向の中で日銀がマネーストック(簡単に言うと個人や企業がどれだけお金を持っているか=使うかという指標)を増やそうとしてもなかなか増えず、一方で日銀の金融政策で金融機関の抱えるお金はどんどん増えていきました。
金融政策の一環として、日銀はETF(いろんな会社の株をごちゃまぜにした投資信託)を購入しているので、株価は上昇していました。
2013年からの推移を見てください。黒田日銀総裁が就任した年で、このときから黒田バズーカといわれる超金融緩和がはじまり、今まで続いてきました。
銀行にお金を供給する政策は効を奏しますが、そこから先である民間企業や個人が思ったよりお金を借りない。つまり、マネーストックが増えない。こりゃ困った。
というわけで、お金を余らしても仕方がないので、行き場のない資金は株式市場へ向かいます。同時に日銀が投資信託を買っているので、相乗効果で日本の株式市場は好況を呈していました。
実体経済の状況
けれども、経済とは「生産・交換・消費」です。ですから、これが活発でない限り、本当の経済の力はよろしくありません。「株」というデータ上の数値だけが上昇したって、人々の生活はよくなりようがないわけです。実際の経済活動を伴う「実体経済」を見ないといけないわけですね。
実際、2019年のGDP速報値では―6.3%でした。明らかに消費税の影響で消費が落ち込んでいます。
余談ですが、経済学に出てくる登場人物は家計・企業・政府の3者だけです。GDPも、これら3者の経済活動の程度によって増減します。
その中でも支出面から見たGDPは次のように分解できます。
支出面から見たGDP=家計最終消費支出+民間設備投資+政府最終消費支出+総固定資本形成+在庫品増加+輸出-輸入
この中で最も大きいのは家計支出の合計である民間最終消費支出で、大体5割~6割くらいを占めています。ですから、日本経済は家計消費が落ち込むと結構な打撃を受けるわけです。
今回消費税の影響によって、おそらく家計消費が落ち込んだため、GDPが下がったのだと思われます。ただ、もちろん企業も消費税の影響を受けるので、民間設備投資は落ち込んだものと思われます。ですから、家計・企業、双方に悪影響があったと言えそうです。
ここから何が言えるかというと、先ほど申し上げた経済の原則である「生産・交換・消費」が落ち込んでいるということです。GDPは支出(消費)から見ても、生産からみても、分配(どれだけ給料もらったかとか)から見ても、同額です。
ですので、明らかに実体経済は悪くなっています。
ダブついた資金は安定資産へ向かう
でも、日本の場合は株価の上昇によって何とか経済が持っていた感がありました。
だけれどもコロナウイルスの影響もあり、株価が下落。そしてGDPもマイナスとなり、ダブルで日本経済が落ち込む様相を呈しているのです。
ただし、お金は持っているだけでは損です。どこかに投資されるはずです。
それが超安定資産である金です。
https://gold.mmc.co.jp/market/gold-price/
元々上昇基調でしたが、今年の2月20日ごろから急激に上昇しています。
つまり、今後も株価が下がると考えた投資家が金の購入に向かっている。
時を同じくして、アメリカの株価(ダウ平均株価)も下がっています。
となれば、ドルを上回る安定資産(金)に向かうか、コロナウイルスの影響の少ない新興国などの株式・債券市場に向かうか、はたまた現物取引に向かうか、という感じでしょうか。
個人的には金の積み立てを始めようかと考えていた矢先にこうした状況になったので、もう少し市況を見て判断したいと思っています。
と思ったら南先生がだいぶ前から書かれておりました。慧眼…
それでは。