Shiras Civics

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「人生をどう生きるか」がテーマのブログです。自分を実験台にして、哲学や心理学とかを使って人生戦略をひたすら考えている教師が書いています。ちなみに政経と倫理を教えてます。

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「正直に言いなさい」という道徳と、黙秘権という憲法の乖離

 

※随筆です。

 

Investigation

 

人は過ちを犯す生き物である。

誰しも一度は悪事を働いただろう。

それが明るみになったとき、親や先生から「正直に言いなさい」と諭されて育ってきた人は多い。

正直に述べ、そして反省することは望ましいこととされてきた。

そして、大人になっても「正直であること」は美徳とされる。

 

生育過程で何度となく繰り返されてきた規範は、心の奥底に沁みついてしまう。

素朴な道徳感情は、カントの言う「実践理性」のように、人々の行動を縛るものであるから、大人になっても一定の影響力を持っている。

 

しかし、日本国憲法にはそれと相反する規定がある。

 

日本国憲法第38条第3項にはこう書いてある。

 

第38条第3項 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。

 

「黙秘権」という形で、真犯人であれ、被疑者・被告人には黙っていることが権利として認められているのである。

 

こうした司法社会でのロジックと、日常生活でのロジックの乖離は、どうやって埋めるべきなのだろうか。

 

それが学校であって、特に公民科における憲法教育なのだろう。