こんにちは、しらすです。
四連休はいかがお過ごしでしたでしょうか。
私は都民なので圧倒的ステイホームでした。おかげで筋トレが捗り、肩幅が広くなりました。
さて、この四連休、キャンペーンの一環でどこかへ旅行に行かれた方もいるかもしれません。
今回の記事で考えたいことは、まさにそのキャンペーンについてです。
早速見てみましょう。
ちきりんさんの記事が非常に参考になるかと思います。
GO to キャンペーンとは?
「Go Toキャンペーン」は、新型コロナウイルイス感染収束後に日本国内の人の流れを創り出し、地域の再活性化につなげることを目的として、観光・運輸業、飲食業、イベント・エンターテインメント業などを対象に、補助金の支出により需要喚起を目指すキャンペーン施策です。
第一次補正予算にて事業総額1兆6,794億円が計上されており、旅行商品を最大半額相当補助する「Go To Travelキャンペーン(予算約1.1兆円)」や、飲食代を2割相当補助する「Go To Eatキャンペーン」、イベントなどのエンターテインメントを2割相当補助する「Go To Eventキャンペーン」などが実施される予定です。
Go to キャンペーンは需要喚起を目的に、旅行者に補助金を出そうという政策です。
そもそもコロナ以前において、日本の産業の中で観光業界が非常に伸びていました。というのも、政府は観光立国化を目指して訪日外国人観光客数4000万人を目標に掲げるなど、官民挙げて観光産業に力を注いでいたのです。貿易収支が低下する一方で、インバウンドの伸びが日本の国際収支の中で伸びつつありました。
お金の流れ・人の流れが観光業を中心に注ぎ込まれて、様々なインフラが整備されていった中で「いざこれからだ」というときにコロナウイルス感染症が拡大し、大打撃を与えたのです。
Go to キャンペーンはそうした瀕死状態にある観光業を救済しようという政策的な狙いがありました。
しかし、緊急事態宣言解除後、再び感染者数が増加し、キャンペーン自体が批判を浴びます。政府はキャンペーン自体を撤回はせず、感染者数の増大が著しい東京を除外した上で、キャンペーンが始まりました。
※東京都の感染者数は徐々に増加し、7月23日には過去最多の366人を記録しました。
インバウンド業界のサプライチェーンは裾野は広い
Go to キャンペーンをめぐる対立軸は下記の通りだと考えています。
政府の最大の役割は国民の生命や財産の保護です。
日本国憲法第13条には次のように書かれています。
すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
コロナウイルス感染症拡大によって瀕死の危機に陥った観光産業を救済しようという政策の背景には、その産業に従事している人々の雇用や生活を守ろうという生活保障の問題があります。
一方で、感染者が急増し始めたこの状況で旅行を奨励する政策をするのは、シンプルに人々の生命を脅かしうるわけです。これが問題の対立軸にあるわけですが、今回政府が強行したということは、前者の方が大きかったということです。
では、なぜ強行したのか?
理由は2つあります。
1点目ですが、現在世界中の国々が競ってワクチン開発に取り組んでいます。
トランプ大統領はワクチン開発の爆速計画を掲げ、現在多くの企業が開発に注力しています。ワクチン企業の株価が軒並み上昇していることは投資家をはじめとした世界中の人々の期待の表れです。
けれども、これらワクチンの効果があるかどうかは未知数です。
一説には、風邪のようにウイルスが毎年変異を繰り返すためワクチンを作っても無駄だという意見もあるようです。
とすれば、人類とウィズコロナの時代はしばらく続く可能性もあるわけです。
数か月であれば観光業界も自粛できるかもしれませんが、1年以上の長期で自粛を余儀なくされればキャッシュフローも底を尽き、倒産ドミノが生じます。
そうなれば観光立国の再建は非常に困難でしょう。
2点目は観光業界が様々な産業と連鎖関係にあるという点です。
地方には、観光業が基幹産業である都市も少なくありません。こうした地方都市の経済は観光業が打撃を受けると、その余波が周辺産業に及びます。
たとえば、旅館や温泉が自粛を余儀なくされれば、周辺のお土産屋や飲食店などが影響を受け、さらにバスや鉄道などの交通インフラも影響を受けます。また、事業が停滞した産業に対する融資もストップし、金融業にも影響を与えるでしょう。
このように工業や農業などではなく、観光業を中心に成立している地方都市経済は観光産業が打撃を受けると周辺産業も壊滅的打撃を受け、経済全体が停滞してしまうわけです。
こちらは観光庁の資料です。こちらからも観光業が日本経済において徐々に割合を高め、さらには他産業と大きな関係を持っていることがわかるかと思います。
https://www.mlit.go.jp/common/001237304.pdf
地方観光都市の経済=地域住民の将来の生活>ウイルス対策
結局、数か月どころではなく長期にわたるウイルスとの共存を余儀なくされる可能性が高いわけで、そうなれば地方の観光都市の経済は大きく縮小してしまいます。
そうなれば、そこに住み、働く人々の生活は壊滅的打撃を受けるでしょう。
僕は結構旅行が好きなんですが、この記事を書いていて確かに地方の温泉街とか門前町とか観光業の割合が大きいなと思いだしました。
温泉街とか門前町とか独特の雰囲気は好きなので、寂れてしまうのは非常に悲しいなあと思うのですが、人の命がかかっている分、どう折り合いをつけるかは非常に難しいと思います。
Go to トラベルキャンペーンをめぐる混乱が示唆するのは、アフターコロナ後の日本経済の在り方だと思います。
感染症に弱い観光立国の道を目指し続けるのか、それとも感染症に非常に強みを見せたテクノロジー産業を盛り上げていくのか、それとも別の道を歩むのか。
そこに住み、働く人たちの救済はもちろん極めて重要ではありますが、有限な資源をどこに投資するのか、そうした日本の未来を考えさせる機会になったのではないかなあと個人的に思いました。
おしまい。
最後までお読みいただきありがとうございました。