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【大人のための政治経済】バーレーンとイスラエルが国交正常化!中東は「新冷戦」化が加速していく見通し

 

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トランプ米大統領は11日、イスラエルバーレーンが国交正常化に合意したと発表した。イスラエルと国交を樹立するアラブ諸国は8月に国交正常化で合意したアラブ首長国連邦UAE)に続き4カ国目。イスラエルとアラブが共通の脅威とみなすイランへの対抗に向けて連携を加速する。(2020年9月12日日経新聞より)

 

www.nikkei.com

 

11日、イスラエルバーレーンが国交正常化に合意しました。

これによって中東の勢力図はどう変わるのか、日本へはどんな影響があるのか、詳しく解説しました。

それではご覧ください!

 

 

バーレーンってどこにあるの?

 

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赤く〇で囲った島国がバーレーンです。

 

バーレーンは中東、ペルシア湾にある小さな島国。ちなみにバーレーン王国です。

面積は東京23区と川崎市を足した程度の小規模な国家。首都はマナママナーマ)です。

 

政治体制は立憲君主制です。支配者層を中心にスンニ派が信仰されていますが、国民の多数派はシーア派です。スンナ派は少数派なんですね。

この関係からスンナ派を信仰するサウジアラビアの王族とバーレーンの王族同士が親交を深めています。

また、アメリカとも友好的な関係を結んでおり、湾岸戦争以降、アメリカ軍が駐留しています。

 

経済的にはGDPに占める石油依存度が30%とかなりの割合を占めています。

(2013年時点ですが、原油埋蔵量ランキングでは世界68位でした。)

世界・原油埋蔵量ランキング - 世界ランキング

石油関連事業で稼いだ原資で観光や金融に積極的に投資しており、また他の中東諸国同様、出稼ぎ労働者が国内の労働者の多数を占めています。

 

中東の勢力図はこう変わる

現在の中東の勢力図はシーア派のイラン勢力スンナ派サウジアラビア勢力に分かれています。

シーア派勢力を支援するのはロシアや中国です。一方でスンナ派勢力を支援するのはアメリカを初めとした西ヨーロッパ諸国です。

こうした状況を指して、「中東新冷戦」と呼ばれる状況が起きています。

 

基本的に中東情勢は宗教対立として分類できるのですが、そこまで単純ではないのが中東情勢の理解が難しい理由です。

たとえば、シーア派への強硬姿勢についてはアメリカとサウジアラビアは共闘関係にありますが、原油戦略についてはシェールオイルの生産に成功したアメリカはサウジアラビアと距離を取りつつあります(ビジネス上は敵対関係にあるからです)。

 

 出典:The Origins Of The Shiite-Sunni Split : Parallels : NPR

 

中東を理解するには、各国がどのような行動原理に基づいているかを理解する必要があります。

キーポイントは各国の政治体制を見ることです。

たとえば、中東諸国の立憲君主制国家・王政国家は王朝の維持を絶対的な行動原理としています。UAEやサウジアラビア、そしてバーレーンなどですね。

シーア派のイランと敵対関係にありますから、いつ攻め込まれてもおかしくありません。国際政治においては「敵の敵は味方」ですから、イランと敵対関係にあるアメリカやイスラエルとの関係を深めるのが現状の最適解になるわけです。

 

一方でシリアなどの共和制国家では、支配する政府の宗派が少数派で、国民の大多数は異なる宗派を信仰しているケースが見られます(かつてのイラクフセイン政権などもそうですね。シリアのアサド政権はシーア派を、そして国民の大多数はスンナ派を信仰しています)。

こういった国々では、国内の反政府勢力が国外の勢力と結びついて内戦に陥るケースがあります。シリア内戦が典型例ですが、独裁国家の政府は被支配者に転落すれば今まで自分たちが行ってきた統治が跳ね返ってきますから、同じ宗派の国に接近して国内の反政府背力を鎮圧する訳です。

イランも共和制国家であるため、国内でクーデターが起きないか、異なる宗派の動きに目を光らせています。

  

これからの見通し

中東情勢はこんな感じで推移してきました。

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中東諸国がイスラエルと国交を結ぶようになったのは、単純にその方が国益にかなうからです。

具体的にはスンナ派諸国にとっては、敵対するシーア派諸国、特にイランとの脅威となっていますので、イスラエルアメリカとの関係を強化して軍事的な存在感を高める流れになっているわけです。

 

今、中東は新冷戦と呼ばれる状況になっています。

敵対するシーア派からの安全保障の観点から、スンナ派諸国がイスラエルとの関係を今後もますます強めていくでしょう。

 

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日本も当然無関係ではありません。

日本政府は集団的自衛権の行使を容認していますから、現在の憲法運用上は、自衛隊を世界中のどこにでも派遣することが可能です。

しかも、単なるPKOではなく、軍事目的をもって派遣することが可能です。

現在でも海上自衛隊が日本船舶の安全のため中東に派遣されていますが、もし中東で日本と同盟関係にあるアメリカ軍が攻撃され、日本政府が日本の「存立危機事態」と判断すれば、自衛隊を派遣することも出来るわけです。

 

そうなったとき、日本はシーア派にとって敵対勢力になります。

イスラーム過激派のテロ被害にあう可能性が高めるかもしれません。

 

それでは今回の記事のまとめです!

 

 

▼最新の中東情勢についての解説書。オススメです。

 

▼中東情勢について、過去の記事でまとめています。脳内で整理するのが大変な中東、よければご参考までにどうぞ!

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